「ちょっとぉ、起きなさいよぉ。あらっお酒臭ぁい。ちょっと、どーしたの?お酒買うおカネなんてよくあったわね?ねぇ起きなさいってば!」
頭蹴とばされてやっと加寿翁起きます。
で、さすがの加寿翁もちょっと頭にきたので「せっかくイイ気持ちで寝てるのに起こすなよー。酒ならそこにあるから、先に呑んでていいからさぁ」
ネーサンが横を振り向くと甕がありまして中には半分位酒が残ってます。
どうせ安酒だろうと思いましたが、このネーサンも値っからの大酒呑み。
脇にあった茶碗にナミナミと注ぐと一気に呑み干した。
呑み干してネーサンビックリ。
「何これ?今までこんなの飲んだことなぁい。どしたのコレ?おカネ無いハズなのにィ」そこで加寿翁は事情を説明します。
これを聞いて露魅甫は
「ゲーッ!ウェッ!」などと言ってはみますが、そこは根が呑兵衛ですから
「んー、でもォ、元は何であれ結局これはお酒なのよね…」
などと自分を納得させて、やっぱりグビグビ。
しまいにゃ加寿翁がもっとオシッコ出すようにとビールまで買ってくる始末。
こんな酒盛が数日続きました。
そしてある日のこと、露魅甫が加寿翁ん家に行き、上がり込んで先ずは一杯と思いましたが、甕が見当たりません。
で、加寿翁に聞いてみます。
「どしたの?お酒の甕は何処やったのョ。まさかアタシに飲ませるのがもったいなくなって隠したの?」
「いや違うんだ。甕は昨日間違って蹴飛ばして割っちゃったんだよ」
「えーっ、じゃぁ他に入れ物ないの?」
「無いんだよ。だから、ね、…今日は直接飲んでみないかい?」