5月にアマゾンで見つけて注文してあった、岡本喜八監督の『
激動の昭和史 沖縄決戦』が7月27日発売となり、本日到着。ようやくと見ることができた。
日本軍を中心に描いているので、沖縄戦がどのような作戦に於いて行われたのか分かりやすい。また、なぜそうなったかに至る戦況や、対馬丸やひめゆり部隊、集団自決など、様々なエピソードを盛り込みながら、散漫にならずにまとまっている。
特典として、各チャプターと連動した解説があり、わかりにくかったシーンもあとから意味を理解できる。また、岡本喜八監督のインタビュー音声も収録されていて、映画制作当時のエピソードも聞ける。精鋭部隊を台湾に持って行かれてしまった沖縄の日本軍と、脚本が上がったあとも予算を削られまくる喜八組の様相が重なって聞こえた。
メインの俳優陣も豪華キャストだが、その中で噂通り、岸田森のやさぐれ軍医殿がいい(YouTubeでもみれるけどね)。また太田海軍中将役の池部良のしゅっとした演技が陸軍とは違った立ち位置を表現していて印象に残った。丹波哲郎の豪放磊落といわれながら涙もろく胃が痛いという長勇参謀長役もリアルだと思った。
それにしても、それぞれの俳優の存在感はどこから来るのだろう。それはやはり、本当の戦時中を知っている世代の凄みなのだろうと思う。牛島司令官役の小林桂樹は満州に出兵している、池部良も陸軍中国戦線から南方戦線まで転戦した経験を持っているのだから。
先日NHK-BSで、石原裕次郎特集をやっていて、最後に山本晋也監督が解説に登場し、昭和三十年代の風景の強烈さを語っていた。昭和ブームといわれているが、昭和の風景をCGやセットで再現した映画より、当時の名作を見た方が良いと思う。
当時の映画には、当時の社会背景や人権意識や貞操観、街の汚さ、文化レベルみたいなものが無意識に詰め込まれている。ノスタルジーだけにひたろうったってそうはさせてくれない。
都合の良い快感だけで組み立てなおした“時代”よりも、古い映画から“時代”を感じる方が有りなのではないかと今更ながらに思った。