仕事で東京に行っていました。
で、中・高の同級生に逢いました。
ひろとくんです。
「頭よさそうに撮られたい』という事で、テーブルにある貝殻の飾りを真剣に見つめています。
……単なる変人にしか見えません。
作戦ミスだと思います。
ただし、実はひろとくんは某大学の、昔の言い方すると助教授なんですね〜。
……というデータを読み込んでも、やっぱり変人にしかみえません。
で、「東京来るならうち泊まれよ」というお誘いに甘えて、ひろとくんの家に泊めてもらいました。
飲んだ帰りに、タクシーで向かいました。着いてみると
……埼玉なんですけど。
まあ泊めてもらうだけありがたいってことで、二人仲良く就寝。
で次の日。
先に職場の大学に向かったひろとくんとお昼を食べようと、電車に乗りました。
その電車は地下鉄に乗り入れで、40分くらいで目的地の駅に着きました。
電車を降りると……
財布がない。
右も左も分からない後楽園の駅で、駅員に聞いた末に駅の事務所にたどり着きました。
係の人は丁寧に応対してくれて、降りた電車の車内を、駅に着く度に見回ってくれました。
「見つかってくれ」という願いとともに、室内のソファに肩を落として腰掛けていると、ぽん、と肩を叩く人物が。
振り返ると、心配顔のひろとくんが立っていました。
「大丈夫、何とか見つかるよ」という一言に、
「友情っていいな」と柄にもなく感激してしまいました。
しかしその友情を笑うように、財布は結局みつからず…。
傷心したボクは、ひろとくんからお金を借りて、一人埼玉の家に戻ることに。
だれもいないしーんとした家。
今のボクの心境のようでした。
とりあえず、ちょっと休んで善後策を考えよう、とベッドに向かいました。
……家に忘れてました。
自分のドジさ加減と、駅の人達に迷惑をかけた事を深く反省して、自分の事のように心配してくれたひろとくんに
「家にわすれていたよ。ごめんな。
心配してくれてありがとう」
と、友情に感謝ながらひろとくんにメールを打ちました。
すぐにひろとくんから、
「そうか、よかったな」
という友情のメールが送られてきました。
……何故か、添付画像がついてました。
……開いてみました。
財布を落として、へこんでいるオレの後ろ姿を、やつは面白がって隠し撮りしていたのでした。
友情なんて、この世にはありません……。
そんな、『友情不信』に陥って、携帯の電話帳の『友人』フォルダを今一度洗い直そうと考え中の放送作家、キャンヒロユキとオリジンのピン芸人、ベンビーがお送りする『オリジンアワー』はポッドキャストで聞けますよ〜

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